胸を鍛える目的は、体の前面に厚みを出すこと。
胸板は、全身の印象を決める“土台”であり、大人の男としての「現役感」の象徴でもあります。
そして何より、ダンベルプレスは理屈抜きに楽しい。
ですが、70代の胸トレには、他の種目とはまったく違う「危険」が潜んでいます。
目次
目指すのは「垂れない」四角いシルエット
私が目指しているのは、タイルのように平らで、厚みのある胸板。
加齢で丸く垂れた胸ではなく、四角く、上部にボリュームのある胸です。
胸は体の中心にあります。
ここが崩れれば、どれだけ良い服を着ても全体のシルエットがぼやけてしまう。
だからこそ、私はバランスを重視します。
大胸筋の下部ばかりが強くなると、胸全体が下に落ちた、老けた印象になりやすい。
そのためメニューは、インクライン(斜め)中心。
上部を徹底して狙い、四角い胸板をデザインします。
71歳、私の胸トレメニュー
週に一度、自重のディップスで下部には十分な刺激が入っています。
だから納戸ジムでのダンベルの日は、上部と全体を容赦なく狙います。
【胸のトレーニング】
① インクライン・ダンベルプレス
・25kgダンベル
・12回 × 3セット
② インクライン・ダンベルフライ
・15kgダンベル
・15回 × 3セット
③ ダンベルプレス(フラット)
・25kgダンベル
・12回 × 3セット
※この後、肩(サイドレイズ・リアレイズ)へ移行します。
(表記は片手の重量。回数は狙い回数で限界が来る重さに設定しています)
70代、決して無理はしない。でも、やるからには全力で。
一瞬の油断が顔面を危険に晒す
自宅でのダンベルプレスには、マシンのようなセーフティバーがありません。
とくに危険なのが、ダンベルを膝に乗せてスタートポジションへ持っていく瞬間。
いわゆる、オン・ザ・ニーです。
勢いが足りなければ途中で止まり、勢いが強すぎれば後ろにバランスを崩す。
手首がわずかに崩れれば、片手25kgの鉄の塊が顔面に向かって落下してきます。
大げさではなく、胸トレは毎回が真剣勝負です。
だから私は、この種目だけは「安全に勝つ」ことを最優先にしています。
・オン・ザ・ニーの前に肩甲骨を寄せ、胸を張る
・手首を反らさず、ナックル(拳)を天井へ真っ直ぐ向ける
・少しでも不安があれば迷わず重量を落とす
気を抜けないのは事実。
でも、無謀である必要はありません。
グローブのシワと、オーディブルの罠
集中力とは、思っている以上に繊細なものです。
ある日、グローブのわずかなシワが気になったまま持ち上げました。
スタートポジションで掌に痛みが走り、一瞬、集中が切れた。ダンベルが落ちかけました。
また別の日。
Audibleでミステリー小説を聴きながら挑んだら、物語の展開に気を取られ、まったく力が入らなかった。
胸トレは、耳まで含めて「集中の配分」を間違えると鉄に負けます。
だから私は、胸の日だけは完全に無音にするか、せいぜいマイルス・デイビスの張り詰めたトランペットを小さく流す程度にしています。
大胸筋への過剰な執着は持ちません。
でも、この一瞬の勝負だけは絶対に譲らない。
70代の胸トレは、筋肉の成長以上に、研ぎ澄まされた集中力の鍛錬なのです。
▼ 71歳のボディメイク・部位別哲学シリーズ

