目次
1章:自宅トレーニングを一変させた「チンニングスタンド」という選択
正直に言えば、チンニング(懸垂)は一生縁のない種目だと思っていました。
小中学校の頃の体育の授業でやった懸垂は、今思えばフォームも何もなく、ただ「腕で引き上げる」動作だったからです。
だから大人になってからも、懸垂=腕力がある人のものという印象がずっと残っていました。
ところが、自宅で筋トレを続けて数ヶ月が経った頃、ダンベルとベンチだけではどうしても埋まらない違和感を感じ始めました。
胸も脚もそれなりに反応はあるのに、背中だけがどこか決定打に欠ける。
ローイング系はやっても、「体が変わった」という実感が弱い。
その答えが、チンニングだったのです。
2章:チンニングは「懸垂」と似ているけど、実は別物だった
実際に取り組んでみて、すぐに気づきました。チンニングは、腕で体を引き上げる動作ではない。背中で体を持ち上げるのだと。
これがわかるまで、正直に言って数ヶ月かかったのです。
最初の頃は、どうしても腕に力が入ってしまい、腕だけで引こうとすると5回がせいぜいでした。
背中を使う感覚がつかめないまま、「これは無理かもしれない」と思ったことも一度や二度ではありません。
でも、少しずつ意識を変えました。
- 肩をすくめない
- 胸を張りすぎない
- 肘を後ろに引くイメージを持つ
するとある時から、背中が先に反応する感覚が出てきました。その瞬間、チンニングはまったく別の種目に変わったのです。回数よりも、「どこで引いているか」。
この感覚を掴めたのが、チンニングスタンドを導入して一番の収穫だったと思います。
3章:ディップスは、胸のトレーニングとして別次元だった

チンニングスタンドを置いたことで、もう一つ大きく変わったのがディップスでした。
名前だけは知っていましたが、正直、ダンベルプレスがあるなら必要ないと思っていたのです。実際にやってみるまでは。
ダンベルプレスは重いほど準備(持ち上げ、倒れ込み)が必要で、負荷が腕、肩、背中へと分散する感覚があります。また、重量が重くなるほど、
- 腕で支える必要が増える
- 手首の安定が欠かせない
- 少しでも気が抜けると危険が伴う
それに対してディップスは違いました。上腕と胸に、ほぼ一直線に負荷が入る。
しかも、ベッドの横にチンニングスタンドがあるから、「ついでに」できてしまう。気負わずにできるのに、胸への効き方がとても集中的。
この手軽さと効き方のギャップには、正直驚きました。
4章:腹筋ローラーは「追加」ではなく「土台」だった

チンニングとディップスを始めてから、腹筋ローラーの役割もはっきりしました。腹筋ローラーは、腹筋だけを鍛える器具ではありません。
- 体幹
- 肩の安定
- 股関節の連動
すべてを同時に要求してくるため、長時間は必要なく、5〜6分で十分です。この腹筋ローラーを入れたことで、
- チンニングが安定する
- ディップスで体がブレなくなる
- 姿勢が自然に整う
という相乗効果が得られました。チンニングスタンドと腹筋ローラーは、実はとても相性がいいのです。
5章:総括—チンニングスタンドは「筋肉」より先に、意識を変えた
チンニング、ディップス、腹筋ローラー。全部やっても20分前後ですが、背中、胸、腕、体幹の全部に確実に刺激が入ります。
フォームを誤魔化せばすぐにわかり、無理をすれば体が先に教えてくれる。これは、年齢を重ねたトレーニングにはとても重要なことです。
振り返ってみると、チンニングスタンドは筋肉を鍛える道具というより、体の使い方を思い出させる装置だった気がします。
重さを増やすのではなく、自分の体をどう扱うか。その積み重ねが、結果として体を変えていきました。
数字より先に、体の使い方が変わる。体脂肪率が動かなくても、見た目が変わる理由については、
体組成計との正直な会話として別記事にまとめています。
体脂肪率は努力を評価してくれない|71歳が体組成計に期待するのをやめた理由
まとめ:71歳で導入して、後悔は一つもない
- 自宅トレーニングが伸び悩んでいる
- 背中をどう鍛えればいいかわからない
- 重さを追うトレーニングに不安を感じ始めた
もし、そう思っているなら、チンニングスタンドは十分に現実的な選択肢だと思います。腹筋ローラーと組み合わせれば、体は静かに、でも確実に変わる。
派手さはない。でも、長く続く。今の自分には、それがちょうどいい。
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