まだまだ行けるぞ 70代

筋トレ継続の心得その3|停滞期は「押し目」。体脂肪率が減らない時の処方箋

やめたこと

筋トレと食事管理を続けていると、必ず一度はこんな時期が来ます。

  • 体脂肪率が減らない
  • 体重も動かない
  • 見た目も、昨日と同じ

「ちゃんとやっているのに、なぜ?」

私もこの状態に、何度もぶつかりました。

糖質制限もしている。脂質も気をつけている。タンパク質も毎日足りている。
それでも、体脂肪率はピタッと止まり、うんともすんとも言わなくなる。

今日は、そんな停滞期に入ったとき、私が「やめたこと」の話です。

停滞期に入ると、人はだいたい間違える

数値が落ちなくなると、多くの人は焦って次の行動に出ます。

  • もっと食事を削る
  • トレーニング量を増やす
  • 有酸素運動を足す
  • 休みを返上して動く

正直に言えば、私も全部やりました。
その結果どうなったか。

疲れる。焦る。数字を見るのが怖くなる。
そして肝心の体は、ストレスで余計に変化を拒絶するようになります。

この悪循環を断ち切るために、私はあえて「3つのこと」をやめました。

① 毎日、体脂肪率を見続けること

体脂肪計は便利な道具ですが、毎日見ると毒にもなります。

家庭用の体脂肪計は、体内の「水分量」に大きく左右されます。
塩分の摂りすぎ、前日の食事内容、睡眠時間、トイレの前後。これだけで数値は平気で1〜2%ブレます。

にもかかわらず、私はその数字を「その日の評価」として受け取っていました。

過去の私:
昨日より0.3%増えた → 「昨日の食事がダメだったのか…」と落ち込む

これをやめました。今は、週単位、あるいは月単位の平均値でしか見ません。

脂肪は、そんなに簡単には減りません。
1日で減らないからこそ、減った時に意味があるのです。

② 「もっと減らさなきゃ」という思考

糖質制限をしていた頃、私はよくこう思っていました。
「もう少し糖質を減らせば、もう少し脂肪が落ちるはずだ」

しかし、筋トレを続けていく中で気づきました。「減らすこと」には限界があるのです。

食事を極限まで削れば、確かに体重は落ちるかもしれません。しかし、体はどこか元気がない。筋トレ中の集中力も落ちるし、パンプ感も弱い。

そこで私は、「減らす」ではなく「足りているか」を見るようにしました。

  • 筋肉を作るタンパク質は足りているか
  • 最後まで追い込むエネルギーは枯れていないか

体脂肪率が落ちないのは、食べ過ぎているからではなく、「燃やすための燃料(薪)」が足りていない場合も多いのです。

③ 停滞=やり方が間違っている、と思うこと

これが一番大きかったかもしれません。

数字が止まると、どうしても「このやり方、合っていないのでは?」と不安になります。そして、コロコロとやり方を変えてしまう。

でも、振り返ってみると──

  • 停滞している時期にも、扱える重量は伸びていた
  • 見た目は、少しずつ引き締まっていた
  • ベルトの穴の位置は確実に変わっていた

そう、数字だけが遅れていただけだったのです。

体は「相場」と同じ動きをする

体の変化は、定規で引いたような「右肩上がりの一直線」ではありません。

食べ物も、体調も、メンタルも、日々違います。

投資の世界に「押し目(おしめ)」という言葉があります。ずっと上がり続けるのではなく、一度下がって力を溜め、そこからまた大きく上がる動きのことです。

筋トレも全く同じです。
「押し目」をつけながら、ジグザグとゆっくり上がっていけばいい。下がった時は「ああ、今は高く跳ぶための屈伸をしているんだな」と思えばいいのです。

焦って売らなければ、相場は必ず戻る。体も同じです。


停滞期は「何も起きていない時期」ではない

今、私はこう考えています。

停滞期とは、体が止まっているのではなく、

  • 体が新しい状態に慣れようとしている期間
  • 次の変化のための準備期間
  • 筋肉を壊さずに、基礎を固めている時間

です。派手さはありませんが、ここを我慢して抜けた人だけが、次のステージに進めます。


若い頃のように、無理をすれば結果が出る年齢ではありません。
だからこそ、「焦らない」「削りすぎない」「続けられる形を守る」

もし今、数字が止まって不安な人がいたら、伝えたいです。

「何も起きていないように見える時ほど、体の中では確かなことが起きている」

私は71歳で、ようやくそれを理解しました。

毎日の景色はあまり変わらないように思えても、

ある日何気ない一段を登ったら、全く新しい展望がひらけていることを。


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