まだまだ行けるぞ60代

犬の歯を抜く話|伊丹十三の短編エッセイ集は楽しかった

多感な少年は大きな影響を受けた

高校生の頃に読んだ、伊丹十三のエッセイ集『女たちよ』は記憶に残る一冊です。

他人を一切気にせず、自分の価値観と嗜好を全ての基準として、あらゆる物を自分の視点のみで考察する。

その揺るぎない自信には新鮮な感動を覚えました。そして多感な青年は大きな影響を受けました。いつか試してみようと。

その中で今でも印象に残っている話がいくつか有ります。

『犬の歯を抜く話』グツグツと煮込んだ大根を犬にガブリと噛ませる。すると、あまりの熱さで犬の歯が全て抜けて大根に食い込んだまま残る。…

『日本酒の正式な飲み方』お猪口は親指と指し指で対角線上を持つ。そして自分の口を隠すようにして、酒を口の中に放り込むように呑む。…

『男たる者いつ如何なる状況でも、取り敢えず、言い訳はしなければならない』「万が一女房に浮気の現場に踏み込まれた時でも、まだ言い訳のしようはある」..「今始めたところだ」と言うのだ。…

(恐らくですが)伊丹十三『女たちよ』より

昔から最後の話が特に気に入っていて、家で酒を飲みながら冗談として友人に話して盛り上がっていたのですが、

これが大きな過ちでした。妻が台所で聞いていたらしいのです。

このジョークは男にしか聞かせてはいけなかった。

それ以降、妻は私の話を疑うようになりました。

あの頃、こんな大人になりたかった。