60代趣味としてのカクテル作り / 簡単で本格的
若い頃、全く酒が飲めませんでした。飲み会は苦痛でしかなく、ビール2杯で吐いていた頃です。ビールは苦いだけ、日本酒など問題外。唯一飲めたのが、スナックで飲むジンライムでした。
それも特に美味しいとは思ったことはなく、ただ他の酒に比べれば飲みやすかっただけ。ジンもの香りもヘアトニックのイメージしかなく美味いと思ったことは一度もありません。
それから40年ほど経った数年前、その頃はすでに猛訓練を重ねた結果として酒は普通に飲めるようになっていました。数十年ぶりにジンが入った酒を飲んで美味いと思ったのがこのホワイトレディーでした。ただ普通に美味しいのです。
・ホワイ・トレディー al約30%

ジン(30ml)
トリプルセック(コアントロー)(15ml)
フレッシュレモンジュース(15ml)
ジンの他にコアントローとレモンジュースを使うのですが、どんな味かというと… 。甘いです。甘くて美味しい。日本酒やビールの美味しいとは違って。
言うならばデザートのように美味しい。アルコール度数は30度以上あって強い酒であり、口当たりもピリッとはくるのですが、濃厚なオレンジの風味とレモンの香りに混じって、ジンの味がします。
何よりもジンが美味しかったのです。昔飲んだヘアトニック味は何だったのか。使ったのはボンベイサファイア。
その他に有名なジンでは、ボンベイサファイアと人気を二分するグリーンのボトルのタンカレー。
少しお手頃価のビフィータージン。何本かずつ飲みましたが、どれもそれぞれ美味しい。大人になって味覚が変わったのでしょうか。
ジンは実は美味しい酒だったのです。ジンが美味しいと思ったことがなぜか嬉しくて、それから暫くの間ジンを飲みまくっていました。
その中でもジンベースのカクテル、ホワイトレディは特にお気に入りです。
ジン(30ml)+トリプルセック(コアントロー)(15ml)+フレッシュレモンジュース(15ml)というレシピはカクテルの定番の組み合わせです。
ジンを他のスピリッツに替えたスタンダードなカクテルが他にもあります。スピリッツが主役かコアントローが主役か微妙なところではありますが。きっと双方が引き立て合うのでしょう。
ベースのジンをウオッカにすると「バラライカ」。ラムにすると「X.Y.Z」。テキーラにすると「マルガリータ」。ブランデーにすると「サイドカー」になります。
サイドカーはブランデーのフルーツ感がプラスされ飲みやすさでは一番かもしれません。どれを飲んでも飲みやすく美味しくて、特に女性には喜ばれるでしょう。

較的甘みを抑えたホワイトキュラソー。オレンジの香りが強く、アルコール度数は35~40度。◇1849年にフランスでフルーツを用いた蒸留酒の製造を始めたコアントロー兄弟が、甘みを抑えたホワイトキュラソーを考案し、ラベルに「3倍辛い」という意の「『トリプルセック』キュラソー」と銘打って販売、好評を博した。他社が追随して同様の商品を「トリプルセック」として販売したため、コアントロー社のものはこの文字を外して社名「コアントロー」を製品名とし、トリプルセックはこの種の酒をいう一般的な名称となった。「辛い」とは、当時かなり甘みが強かった一般的なホワイトキュラソーに対しての比喩的な表現であり、比較的控えめではあるが甘口の酒である。
出典 講談社 飲み物がわかる辞典

