目次
始める前に感じていた不安|本当に安全なのか?
糖質制限に興味はあっても、実行できない理由はたいてい同じです。

- 本当に安全なのか不安
- やり方がわからない
- 危険だという話を見たことがある
- 自分の年齢でやって大丈夫なのか心配
- 料理が得意ではない
- 続けられる自信がない
これらはすべて、昔の自分の不安そのものです。実際、私は長年の糖質中心の食生活を続けていました。ある日、パンとおにぎりを昼食に食べたところ、夕方には強烈な血糖値の低下で震えと冷や汗が出たこともあります。
糖質を減らして本当に大丈夫なのか?
その疑問は、誰よりも強かったと思います。
科学的な話を少しだけ|「糖質は必須栄養素ではない」
70代からの糖質制限|炭水化物の必要量はゼロ?科学的根拠と正しい始め方を徹底解説
一般的に栄養学では、
「糖質は、必須アミノ酸や必須脂肪酸のように“体外から必ず摂る必要がある栄養素”としては扱われません」
食品から必須として摂取する必要があるのは、
- 必須アミノ酸(タンパク質)
- 必須脂肪酸(脂質)
- ビタミン
- ミネラル
必須糖質という栄養素はありません。
人間の体は必要なブドウ糖を、肝臓で糖新生によって作り出すことができます。つまり、食べた糖質に頼らずとも、体は自力で必要な糖を供給できるのです。
さらに言えば、脳も「糖しか使えない」というのは古い認識で、実際は脂肪酸由来のケトン体も非常に効率よく使えることがわかっています。
私はこの「科学的な裏付け」を知り、
糖質制限に対して抱いていた漠然とした恐怖が、
「理解」と「納得」に変わっていきました。
結論から言うと|不安はほとんど杞憂だった

糖質制限といっても、特別な才能や根性が必要なわけではありません。
正しいやり方で続ければ、体は必ず応えてくれる。
私はそのことを、身体を通して強く実感しました。
実際に続けてみると――
- 空腹に苦しむことはほぼなかった
- 低血糖によるフラつきはゼロ
- 集中力が増し、思考がクリアになった
- 身体が軽くなって動きやすくなった
- 体脂肪を落としながら筋肉はしっかり維持できた
つまり、糖質制限は単なるダイエットではなく、身体を「脂肪燃焼モード」に切り替える仕組みづくりなんです。
完璧にやるよりも、ゆるくても長く続けるほうが結果が出ます。
この食事法は「意志の強い人」だけのものではなく、「健康を取り戻したい人」すべての味方になる。
糖質制限で一番危ないのは「糖質を抜くだけ」のやり方
【糖質制限の真実】不調の原因は“カロリー不足”にあり—安全な脂質とタンパク質の摂り方
糖質制限を失敗する人の多くは、次のような共通点があります。
- 糖質だけを極端に減らす
- タンパク質と脂質の摂取が足りない
- 全体のカロリーが不足している
この状態だと、体はどうなるか?
- エネルギー不足でフラフラする
- 筋肉を分解してエネルギーに変える
- 基礎代謝が落ちて痩せにくい体になる
つまり、「糖質だけを抜く糖質制限」は逆効果なのです。
脂質は悪者じゃない|糖質制限の「正しい脂質の使い方」
糖質制限をするときに最も誤解されているのが、
「脂質は太る」という思い込みです。
実際はその逆で、糖質が抑えられていれば、脂質は太りません。
むしろ脂質は、
- ホルモンの材料
- 細胞膜の材料
- 男性ホルモン維持
- 筋肉維持
- 体温維持
など、中高年の健康維持にとって欠かせない役割をたくさん担っています。
そして、脂質にもいくつか種類があります👇
ココナッツオイル(使いやすい“ベースの油”)

糖質制限をするときに、まず最初に迷うのが「どの油を使えばいいのか?」という問題です。
私が実際に試して、扱いやすいと感じたのがココナッツオイルでした。
- 加熱にも使える
- 風味が強すぎないタイプもある
- 糖質制限中の「油のベース」にしやすい
糖質制限を始めた当初、空腹やエネルギー切れが不安だった時期がありました。
その頃、軽い運動に出かける前、空腹対策としてココナッツオイルをスプーン一杯飲んでいたこともあります。
MCTオイルは私には合わず下痢をしてしまいましたが、ココナッツオイルは問題なく使え、結果的に5〜6瓶は使い切ったと思います。
ただし、これは長時間じわっと体を動かすような場合の話で、筋トレのような強度の高い運動前には向かないと感じています。
今は食事設計が安定したため使っていませんが、糖質制限の初期や移行期には、こうした「逃げ道」があることに助けられました。
MCTオイル(中鎖脂肪酸)

・すぐにエネルギーになる
・脂肪として蓄積されにくい
・消化に負担が少ない
ただし、慣れていない人が多量に摂ると下痢になるので、最初は小さじ1から始めるのが安全です。
「体質によっては少量でも合わないことがあります」
エキストラバージンオリーブオイル

・抗酸化物質が豊富
・動脈硬化予防の効果
・脂質エネルギー源として安定
・中高年の健康維持に強い味方
71歳からでも疲れない体へ|鶏胸肉に含まれるイミダペプチドで疲労・脳の衰えを防ぐ方法
そしてもう一つ重要な真実
この意識が持てると、糖質制限は一気に楽になります。
糖質制限では、脂質は「敵」ではなく「燃料」

- タンパク質:体重 × 1.2〜1.5 g/日
- 脂質:必要エネルギーの50〜70%
- 糖質:1日30〜60 g程度
人間の体は糖の代わりに、
脂質 → ケトン体 → 体と脳のエネルギー源
というルートに切り替えられます。
だから私は、糖質制限中でも
- 卵を3つ
- 鶏胸肉を毎日200〜300g
- 豆腐・納豆・チーズ
このくらい普通に食べていました。
その結果、
- エネルギー不足は一度も感じなかった
- 頭が冴えた
- 筋肉を維持しながら脂肪だけが落ちた
糖質制限は「糖質を減らす食事」ではなく、「エネルギー源を切り替える食事」です。
私が何ヶ月も食べ続けていた「現実的な食材」

私が糖質制限中に常に食べていた食材は、本当に「普通の食材」ばかりです。
特別な健康食品や高価なダイエットフードは使っていません。
- 卵(1日 2〜4個)
- 鶏胸肉(200〜300g/日)
- 豆腐(絹でも木綿でもOK)
- 納豆(1〜2パック/日)
- サバ缶・ツナ缶
- ブロッコリー
- チーズ(食べ過ぎ注意)
- ローソンの低糖質ブランパン
これらの食材には共通点があります。

【71歳の実録】コンビニは最強のサプリ棚!低糖質・高タンパク食材活用術
- 安い
- どこでも手に入る
- 調理が簡単
- 栄養価が高い
- 糖質が低い
- タンパク質が豊富
たとえば、卵は完全栄養食です。 タンパク質だけでなく、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルも含んでいます。
鶏胸肉は、低脂質・高たんぱく。 さらに加熱しても消化が良く、胃腸への負担が少ない。
豆腐と納豆は、植物性たんぱく質と発酵食品の力を兼ね備えており、腸内環境を整えます。
そして何より重要なのが、献立に迷わないことです。
「今日は何を食べればいいんだろう?」
という悩みがなくなると、続けられる確率が格段に上がります。
続けられる食事法は、考えなくても自然に選べる食事であるべきです。

一番つらかったのは「空腹」ではなく、甘いものへの欲求だった
糖質制限を始める前は「空腹が辛いんだろう」と思っていました。
しかし、実際にやってみると違いました。
空腹は案外平気。
むしろ辛かったのは――
甘いものへの強い欲求
- お菓子
- 菓子パン
- 果物
- アイス
- 甘いコーヒー
これらへの欲求は、身体的というより心理的なものでした。
だから私は、無理に我慢せず「逃げ道」を作りました。
- 低糖質のデザートチーズ
- 無糖ヨーグルト
- 低糖質プロテインバー
どうしても甘いものが欲しくなったときの、心強い味方だったプロテインバー。

実際に助けられたのが、低糖質プロテインバーでした。
70代の自宅トレ飯|スーパー・コンビニで選ぶべきプロテインバー11種比較—本当に美味しく、タンパク質15g超えはどれ?
これらを「甘いものの代替」として使うことで、継続がラクになりました。
そして重要なのは、この甘いものの欲求は時間とともに弱くなるということ。
最初の2〜3週間は強くても、
身体が糖より脂質を燃やすように切り替わると、欲求は自然に消えていきます。
実際、途中から
「甘いものを食べたい」ではなく「タンパク質が足りてるか?」
という感覚のほうが強くなっていきました。
甘いものの誘惑に勝ったのではなく、欲求そのものが弱くなった。
「鶏胸肉と卵ばかりって危険じゃないの?」への私なりの回答
糖質制限の話をすると、かなりの高確率で聞かれるのがこの質問です。
鶏胸肉や卵ばかり食べていて、本当に大丈夫なんですか?

私の正直な答えはこうです。
鶏胸肉と卵をたくさん食べ続けても、体調を崩すことはなく、むしろ体調は良くなりました。
頭にトサカも生えていません。
むしろ、
- 体重は落ちました
- 体脂肪率も下がりました
- 筋トレと組み合わせて、筋肉量は維持〜増加しました
- 身体が軽くなり、動きやすくなりました
たんぱく質は「太る栄養」ではなく、もっとも燃えやすい栄養
栄養学的に見ると、たんぱく質には食事誘発熱産生(DIT)と呼ばれる特徴があります。
- 糖質:摂取カロリーのうち、およそ 6%が熱として消費される
- 脂質:消費されるのは数%程度
- たんぱく質:なんと摂取カロリーの約 20%〜30%程度が熱として消費される
つまり、同じカロリーでも、
たんぱく質は「もっとも燃えやすい栄養素」なのです。
糖質制限で、
- 糖質を減らし
- たんぱく質と脂質をしっかり摂る
という方針は、
①脂肪をエネルギーとして使いやすくする
②食事誘発熱産生を高めて、日常的な消費カロリーを増やす
という、2つの面から理にかなっています。
「たんぱく質は摂りすぎると危険?」について

「たんぱく質をたくさん摂ると腎臓に悪い」という話を聞いたことがあるかもしれません。
ですが、現時点で、健康な人を対象に明確な「たんぱく質の耐容上限量」を示したデータは十分ではないとされています。
実際、私は 1 日あたり 体重 × 1.5 g 前後のたんぱく質を、
- 卵
- 鶏胸肉
- 豆腐・納豆
- 魚
などから毎日摂り続けていますが、少なくとも自分の血液検査の範囲では、腎機能に問題は出ていません。
もちろん、すでに腎臓に持病がある方や不安がある方は、必ず主治医と相談したうえで取り組むべきです。
大切なのは、「たんぱく質=悪者」と決めつけることではなく、年齢や体調に合わせた量とバランスを見つけることだと感じています。
糖質制限と筋トレは相性がいい|「痩せたけど貧相」にならないために
糖質制限は「体脂肪を落とす」のが得意な食事法です。
ただし、やり方を間違えると、
- 体重は落ちたけれど、筋肉も一緒に落ちてしまう
- 数字は軽くなったのに、見た目が貧相になる
という残念な結果になってしまうこともあります。
そこで私は、糖質制限を始めるのと同時に、
- 週3回のダンベル筋トレ
- 十分なたんぱく質摂取
- 必要な脂質の確保
をセットで続けました。

【70代の筋トレ】体が若返る!無理なく続ける「頻度優先」トレーニングの全貌
その結果、
- 体重は落ちたのに
- 「痩せた」ではなく「締まってきた」という感覚に近くなりました。
とくに70代になると、
- 筋肉量の維持
- 関節まわりの安定
- 転倒リスクの低下
といった意味でも、筋トレは「見た目」以上の価値を持っていると感じています。
糖質制限は、ただ体重計の数字を減らすためではなく、「動ける身体」を作るための食事だと考えると、続ける意味がはっきりしてきます。
週1回の「ブレイクデイ」のすすめ
私は糖質制限を続ける中で、週に1回だけ「ゆるめていい日」を作っていました。
といっても、1日中好き放題食べるわけではありません。
- 1日のうち1食だけ、好きなものを解禁する
- ラーメンでも、ピザでも、とんかつでもOK
- 外食や飲み会は、できるだけこの日に合わせる
こうすることで、
・「一生ラーメンを食べられないのか」という絶望感がなくなる。
・少しはみ出しても、翌日からまた素直に糖質制限に戻れる。
という心理的なメリットが大きく、結果として継続率がグッと上がりました。
完璧を目指して、
「1回でも崩れたら全部終わり」
という考え方だと、かえって続きません。
「多少崩しても、また戻ってくればいい。」
このくらいの気持ちでいたほうが、長い目で見れば確実に結果が出ます。
完璧じゃなくていい|71歳の私が実際に食べていた「1週間の記録」

最初から完璧な糖質制限メニューなんて、誰にも組めません。
私も、かなり手探りの状態でスタートしました。
ある1週間分の食事を、そのまま記録したのが次の記事たちです。
- 糖質制限1日目|卵・納豆・鶏胸肉で始める低糖質メニュー
- 糖質制限2日目|空腹にならない食べ方と鶏胸肉ランチ
- 糖質制限3日目|朝は卵+納豆・昼は鶏胸肉という理想的たんぱく質生活
- 糖質制限4日目|ブランパンドッグと筍ご飯の日|糖質調整の実例
- 糖質制限5日目|鯖缶の落とし穴と調味料の選び方
- 糖質制限6日目|もやし+豚肉の低糖質メニューと脂質の正しい摂り方
- 糖質制限7日目|外食・コンビニでも失敗しない食べ方
料理上手でもなければ、特別なレシピ本を片手に作ったメニューでもありません。
「これなら自分にもできそうだ」と思ってもらえる現実的な内容だと思います。
大事なのは特別なメニューではなく、「続けられるパターン」をいくつか持つことです。

糖質制限と筋トレを続けた結果、健康診断の数値にも変化が出てきました。
- 体重・体脂肪の減少
- 中性脂肪の低下
- HDLコレステロール(善玉)の改善
- 空腹時血糖値・HbA1c の安定
もちろん、これはあくまで私個人のデータであり、すべての人に同じ変化が出るとは限りません。
ですが少なくとも、
「糖質制限をしたら健康を害するのではないか」
という最初の不安に対して、
自分自身の体とデータを通して、
「むしろ良くなった」と言える材料が得られたのは大きな安心でした。
数字はすべてではありませんが、「体感」と「検査結果」の両方が揃うと、自分のやっていることに自信が持てるようになります。
このページで一番伝えたいこと
糖質制限に興味はあるけれど、
- 本当に安全なのか不安
- 自分の年齢でも大丈夫なのか心配
- 失敗したくない
もし今、そんなふうに迷っているなら、
少し前の私と同じ場所に立っているのだと思います。
71歳の私が実際にやってみてわかったことを、最後にまとめると――
- 糖質は「必須栄養素」ではない。正しいやり方なら、糖質制限は危険なものではない。
- 完璧でなくていい。ゆるくても、続ければ必ず結果は出る。
- 鶏胸肉と卵中心の食事でも、体はちゃんと元気に動く。
- 「何を食べたらいいかわからない」は、具体的な例さえ知れば解決できる。
糖質制限は、「もう歳だから」とあきらめていた人が、
もう一度、自分の体を信じられるようになるための、とてもシンプルな始まりです。
完璧じゃなくていい。ゆるくていい。多少失敗してもいい。
それでも、続けた人には必ず結果が出る。
私は71歳で、それを自分の体で確かめました。
次は、あなたの番です。
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紹介している商品は、私が実際に使用し、現在も生活の中で使い続けているものだけです。

