護身術の目的は逃げるチャンスを作ることで相手を倒すことではない
護身術の目的は逃げるチャンスを作ること。
図解入りの本を読んで暴漢との戦い方を理解したつもりでいても、知識だけでは体は動きません。相手を刺激するだけの結果に終わるのは目に見えています。
まさに生兵法は怪我のもと。中途半端な対応は逃げるチャンスを潰すことにもなりかねません。
護身術を読んで頭で理解しただけで暴漢に対処できる訳はないのです。子供の頃に誰もがやってみたかった柔道や空手の通信教育と同ことです。
本でバタフライの泳ぎ方を完璧に理解したからといって泳いだことのない人が突然泳げるのか?それと一緒です。
では、謂れのない暴力に遭遇した時、普通の人は受け入れるしかないのか。護身術なんの役にも立たないかというとそうではありません。
知っているだけで場合によっては身を守るのに役に立つ方法もあります。
しかし身を守るといっても置かれた状況によって対処の仕方は全く変わります。
繁華街で白昼通り魔に遭遇した場合、飲み屋街でチンピラに絡まれた場合、人気のない場所で害意を持った男と対峙した場合など。
金品を巻き上げるための脅しなのか、暴力を振るう意思があるのか、害意があるのか。
その時、家族や守るべき人が一緒かどうかでも状況は違ってきますし、とり得る行動も変わります。
ただ酔っ払って絡んできただけの害意のないチンピラを傘でボコボコ殴るわけにはいきませんし、通り魔を諭しても無意味です。
不条理が支配する世界に突然置かれたら、まず自分の状況を理解する必要があります。そして相手に対する有効な一手で逃げるチャンスを作るのです。
護身術の目的は殴り合うことではなく怪我をせずに逃げきることなのです。
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