まだまだ行けるぞ 70代

全身脱力で心身をリセット—寝る前に心を「再起動」させる方法

緑のジャングルの中のベッドで眠る女性

私たちは一日の終わり、横になっていても、心身に蓄積したストレスや緊張によって、気づかないうちに体に力が入り続けています。

この「全身脱力法」は、連続した日常の緊張をいったん断ち切り、心身をゼロの状態に戻すための、最も効果的なリセット方法です。就寝前に行うと、睡眠の質が驚くほど改善します。

一日に一度は心身をリセットする。


静かに一人になれる環境を整えましょう。横になって、そのまま眠ってしまっても大丈夫です。照明や音、スマホの通知など、余計な刺激は遠ざけてください。


1章|脱力の土台:まずは呼吸からはじめる

この脱力法も、私たちが学んだ腹式呼吸が基盤になります。

  • 手足を自然に揃え、腹式呼吸をスタートします。
  • 呼吸は「吐くこと」に意識を向けます。口から息を吐き、鼻から吸う
  • 腹をへこませて吐き、吸うときは腹の力を抜くだけ。すると自然に空気が肺へ入ってきます。

この呼吸を繰り返しながら、これから行う脱力の準備を整えます。心身の緊張を解くスイッチは、まず呼吸にあるからです。


2章|体の各部を意識しながら脱力していく(実践ステップ)

横になっていても、人は驚くほど体に力が入っています。この脱力法では、体の末端から中心に向かって、力を入れて抜き取る作業を意識的に行います。

下半身の脱力(土台を緩める)

まず「存在を意識」し、軽く動かして、どれほど力が入っているかを確認。そのあと静かに力を抜いていきます

  1. 爪先 → 足首 → ふくらはぎ → 太もも → お尻

この工程を、呼吸法を続けながら行うのがポイントです。

上半身と中心部の脱力(肩・顔をゆるめる)

  1. 指先 → 手のひら → 前腕 → 上腕
  2. それから、下腹部 → お腹 → 胸 → 肩 → 首 → 顔*と順番に。

肩と顔は特に力みやすい部分なので、意識してゆるめるのが大切です。首は枕に頭の重さをすべて預けるイメージ。「締まりのない顔」でOKです。


3章|全身の脱力は心と身体を「再起動」させる

全身から力が抜けると、お腹のあたりに柔らかい温かさが広がり、心も体もふわっと軽くなります。まぶたの内側がじんわり明るく感じられることもあるでしょう。

この状態は、心と身体が同期し、最高の回復状態に入ったサインです。そのまま数分間、静かに身を委ねてください。眠ってしまっても構いません。

何回か繰り返すと、自分の体がどれだけ力んでいたかが分かり、脱力の感覚が洗練されていきます。とても気持ちのいい状態になるので、ぜひ就寝前の習慣にしてみてください。


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