年齢を重ねて一番「老けて見える」のは、顔でも腹でもありません。
背中です。
背中が丸まった瞬間、男性は一気に「お爺さん」になる。
私は、それだけは受け入れられませんでした。
背中を鍛える理由はいくつかあります。
まず、姿勢です。
できる限り普段の生活でも背中を伸ばしていること。
歩く姿も、カウンターで酒を飲む時も、ただ立っている時も、「男は背中を丸めてはならない」。
私はそう信じています。
背中を丸める、あるいは元々の猫背。どちらも男として印象の良いものではありません。
背筋を伸ばすには「脊柱起立筋」、胸を張るには「広背筋」が関与しています。私が背中を鍛えるのは、まずはこの姿勢のためです。
目次
「コブラ」のような逆三角形はいらない
私が鍛えたい部位は、背中の真ん中、つまり「広背筋の中部」です。
背中の「広さ」ではなく、「厚み」が欲しいのです。
一般的に、広背筋の両サイド(外側)を鍛えすぎると、過度な逆三角形になります。
ボディビルやフィジークの選手ならそれが正解でしょうが、私はあの「コブラが立ち上がって威嚇しているような姿」にはなりたくありません。
あくまで自然に、しかし力強く。
そのため、背中を広げる効果が高い「チンニング(懸垂)」は、あえて少しセーブしています。
行う時も、広がりすぎないようにナローグリップ(狭い手幅)で行うのが私のこだわりです。
スーツのシルエットは「厚み」で決まる
姿勢と共に、背中の厚さはスーツを着た時にその真価を発揮します。
正面から見た胸板の厚さも大事ですが、実は横から見たシルエットにおいて、胸よりも「背中の厚さ」が無言でその男を語ります。
ジャケットの背中がピシッと張り、余計なシワが寄らない。
そのために、私は「ローイング種目(引く動作)」を重視しています。
私の背中トレメニュー
メニューは非常にシンプルです。
【背中のトレーニング】
① ワンハンド・ローイング
・25kgダンベル
・左右 3セット/インターバル2分
「引くときは単にダンベルを持ち上げるのではなく、肘を斜め後ろに引き上げるイメージです。そうすると、腕ではなく背中の中心に効く感覚が掴めるからです。」
② ダンベル・ローイング
・25kgダンベル
・3セット/インターバル2分
ダンベルローイングは私にとってデッドリフトも兼ねているので、少し体を起こし気味して立ちますが、ガラスの腰を保護するために必ずトレーニングベルトを着用しています。
③ ナローグリップ・チンニング
・週2回(広がりすぎないよう調整)
・インターバル1分
チンニングはワイドグリップにすると背中の両サイドにモロに効きます。私は自然なシルエットを目指しているので、ワイドグリップを1セット、ナローグリップを2セットにしています。
「やらない」と決めている種目
逆に、怪我のリスクや目指す体型との不一致から、以下の種目は絶対にやりません。
- デッドリフト:腰痛持ちなので、リスクが高すぎるため。
- ショルダーシュラッグ:僧帽筋上部が盛り上がりすぎて、「ハルク」のようになりたくないため。
背中トレは、重さを競うものではありません。
男としての姿勢のため、そしてスーツを着た時のシルエットのために。
トレーニングウエア以外は似合わない。そんな身体は望んでいません。
何事もほどほどが肝心です。必要な場所にだけ厚みをつける。それが私のやり方です。
▼ 71歳のボディメイク・部位別哲学シリーズ

