「筋トレをして肉体改造をするなら、食事は糖質制限が必須だ」
つい最近まで、私はそう思い込んでいました。あのライザップの衝撃的なコマーシャルの影響かもしれません。
「糖質を抜いて筋トレをすれば、脂肪が落ちて筋肉がつく」。それが正解だと信じて疑わなかったのです。
しかし、71歳の私の体が出した答えは違いました。
「痩せるためには糖質制限。でも、筋肉をデカくするには脂質制限」
この決定的な違いを、身をもって学んだ体験談をお話しします。
【注意】これまでの糖質制限を否定するわけではありません
もしあなたが「まずは痩せたい」「お腹の脂肪を落としたい」と思っているなら、これまで通り「糖質制限」が正解です。私もそれで痩せました。
今回の話は、ある程度痩せた後に「さらに筋肉を大きくしたい人」に向けた、次のステップの話です。
▼ まず痩せたい方はこちら
71歳から始めた糖質制限|空腹も倒れることもなかった「現実的なやり方」と結果
目次
第1段階:とにかく痩せるための「糖質制限」
私が肉体改造を始めた2月の時点で、体重は74kgありました。当初の目的は、とにかく体脂肪を落とすこと。以前から経験のあった「糖質制限食」を徹底しました。
- 目的:効率よく体脂肪を燃やす
- 食事:炭水化物をカットし、タンパク質と脂質を摂る
効果はてきめんで、4月までには一気に67kgまで落ちました。しかし、鏡に映ったのは「ただ少し痩せて、脂肪がまだ残って弛んでいる体」でした。
第2段階:絞りながら作る「自宅ライザップ期」
ここで方針を変更しました。「体脂肪を落としながら筋肉をつける(リコンプ)」を目指し、糖質制限を続けながら、少しハードな筋トレを開始しました。
いわゆる「自宅ライザップ」のような状態です。試行錯誤しながら半年ほど継続した結果、9月には以下のような数値になりました。
9月時点の成果
・体重:60kg前後で安定
・体脂肪率:18%台を推移
かなり引き締まりました。しかし、ここで壁にぶつかります。「ある程度まではいくが、そこから筋肉が大きくならない(筋肥大しない)」のです。
私の体は枯渇していました。脂肪は落ちましたが、筋肉を太くするためのエネルギー(糖質)も足りていなかったのです。
第3段階:デカくするための「脂質制限」へ
そこで思い切って、食事をガラリと切り替えました。
- 糖質制限(これまで):脂質はOK、ご飯はNG
- 脂質制限(これから):脂質を控え、ご飯をしっかり食べる
長らくお米を避けていたので、最初にご飯を茶碗一杯食べる時は「また太るのではないか」という罪悪感と恐怖がありました。
しかし、始めてみるとすぐに体は順応しました。
体が教えてくれた「糖質」の威力
切り替えた当初、体重は一気に3kgほど増えました。一瞬焦りましたが、これは脂肪が増えたわけではありませんでした。
枯渇していた筋肉の中に、エネルギー(グリコーゲン)と水分が戻ってきたのです。
その証拠に、お腹が出ることはなく、代わりに筋肉の「張り(パンプ感)」が劇的に良くなりました。
トレーニング中も力が湧き、終わった後も筋肉が膨らんでいる時間が長い。明らかに「筋肉が増えている」という実感がありました。
体脂肪を落としながら筋肉をつけるのは、効率的ですが限界があります。
「しっかり食べて(脂質制限)、筋肉を大きくする時期」
「糖質を控えて(糖質制限)、脂肪を削ぎ落とす時期」
この2つを使い分けることこそが、70代でも体を進化させるコツなのだと、失敗と停滞を経てようやく理解しました。
今は体脂肪をあまり気にせず、ご飯を食べて筋肥大を目指しています。
そしてある程度のところで、また糖質制限に切り替えて脂肪を落とす。このサイクルなら、まだまだ体は変えられそうな気がしています。

