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71歳の心身を整える「呼吸の極意」|なぜ吐ききることが重要なのか?
武道、ヨガ、禅、瞑想、スポーツ──どんな分野でも「呼吸」は基盤です。それは、呼吸が心と体の状態を瞬時に変える力を持っているからです。
それぞれに独自の呼吸法がありますが、その根幹は、腹式呼吸と、息を吐くことの重要性で共通しています。
日常生活では意識しないと呼吸は浅くなりがちで、年齢とともに肋骨周りの柔軟性が失われると、さらに浅くなります。ストレスを受けると、呼吸はさらに速く、胸式へと変わってしまう。
浅い呼吸が続くと、酸素不足を招き、思考力や体調、睡眠の質にも悪影響が出てきます。だからこそ、意識的な深呼吸が必要なのです。
呼吸の基本は「吐ききること」|自律神経を整えるメカニズム
呼吸の基本は「吐くこと」。使うのは横隔膜です。息を吐くときは腹をへこませ、吸うときは腹を緩めるだけ。
なぜ吐くことが重要なのか?それは、息を吐くときに副交感神経が優位になるからです。深く吐ききると、体はリラックスモードに切り替わります。
力を緩めると自然に肺へ空気が流れ込みます。吸うことは意識しなくても大丈夫。意識するのは「長く、完全に吐くこと」だけです。
心と身体をリフレッシュする「1分間深呼吸法」
ここでは、普段の呼吸とは違う「完全に吐ききる深呼吸」を紹介します。
- 姿勢は自然で大丈夫です。椅子でも正座でも構いませんが、背筋をまっすぐにし、胸郭を広げます。
- 口から8秒かけてゆっくりと息を吐ききります(横隔膜で腹をへこませる)。
- 鼻から8秒かけてゆっくりと吸います(お腹を緩めて自然に空気を流れ込ませる)。
この流れを繰り返します。8秒が苦しい場合は、5秒や6秒に短くしても構いません。大切なのは「完全に吐ききること」です。
血液は約1分で体を巡ります。つまり、1分間の深呼吸で新鮮な酸素が全身に行き渡るということです。
【実践のコツ】
深呼吸は「酸素を吸い込む」ことではなく、「二酸化炭素を出し切る」ことで自律神経が整います。1日に何度か、特にストレスを感じた時や、仕事の合間に取り入れると効果的です。
ストレスに負けないためにも、深呼吸で脳と体をリフレッシュしましょう。
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