糖質制限は“正しく行えば”とても効果的な食事法です。しかし、誤ったやり方で始めると体調不良を引き起こし、「糖質制限は危険」という誤解につながります。
結論:多くの不調の原因は「糖質を抜いただけで、他の栄養を増やしていない」ことによるカロリー不足です。
もう一つ多いのが、糖質を減らしたことで水分が抜け、塩分(電解質)も一緒に減って起きる不調です
ご飯・パン・麺などの炭水化物は、本来1日の摂取カロリーの半分以上を占めています。それを急にゼロ近くまで減らせば、当然エネルギーが足りなくなります。
体のだるさ・眠気・頭痛・集中力不足といった「糖質制限の不調」の正体は、糖質を減らした分を、タンパク質と脂質で補わなかったことが原因です。
目次
71歳から始めた糖質制限|空腹も倒れることもなかった「現実的なやり方」と結果
「糖質制限=糖質を抜くだけ」だと思っている人が多いですが、これは間違いです。糖質を減らしたら、その分のエネルギー(カロリー)をタンパク質と脂質で補わなければいけません。
体調を崩さないためには、まず「1日に必要な総摂取カロリー」を知る必要があります。以下の計算式で、基礎代謝量(BMR)を計算します。
男性の基礎代謝量(BMR)の簡易計算式
BMR = 66.47 + (13.75 × 体重kg) + (5 × 身長cm) − (6.76 × 年齢)
この基礎代謝量に、以下の活動レベル係数を掛けたものが、あなたの「1日に必要な総摂取カロリー」の目安です。
- 活動レベル1(低め/デスクワーク)= BMR × 1.5
- 活動レベル2(普通/軽い運動)= BMR × 1.75
- 活動レベル3(高め/毎日の運動)= BMR × 2.0
例: 私(体重67kg、活動レベル2)の場合、必要なカロリーは約2500kcalになります。
総摂取カロリーの目安が分かったら、いよいよタンパク質と脂質の配分です。特に中高年は、筋肉量の維持を最優先に配分を決めます。
- 糖質: 1日20〜30g (ゆるめの糖質制限なら30gでOK)
- タンパク質: 体重1kgあたり1.6g〜2.0g
例: 67kgの私の場合、110g〜130g程度のタンパク質を毎日目標にします。この量を下回ると、脂肪だけでなく筋肉まで削られてしまう危険性があります。
※これはあくまで「目安の簡易式」です。細かい数値より、体調が安定する摂取量を優先してください
必要なタンパク質量を確保したら、残りのカロリーすべてを脂質で補います。
総摂取カロリー2500kcalの場合、糖質を20〜30gに抑え、タンパク質を確保した残りを脂質で埋めると、脂質は「結果として」150〜200g前後になることがあります。
※体格・活動量・空腹感で変わるので、まずは無理なく続く範囲から調整します。
先に結論だけ言うと、糖質制限は「食べる量を減らす」やり方では続きません。最初の1〜2週間は、体重を落とすことより“体調を崩さないこと”を優先してください。
・体重維持が目的:まずは “普段どおり” 食べる(減らさない)
・だるい:ほぼカロリー不足か塩分不足
・眠い:糖質の抜き方が急すぎる/脂質不足

脂質180gと聞くと、「そんなに油を飲めない」と思う人がほとんどです。しかし、これは誤解です。脂質は日常の食材に大量に含まれています。
食材に含まれる脂質の目安(例)
- 卵1個:5〜6g
- 鶏もも肉100g:10g
- サバ半身:15〜20g
- 豚ロース100g:15g
- ナッツ30g:15g
油をスプーンで飲む必要は一切ありません。普通の食事をしているだけで、1日50g〜80gは自然に摂れてしまいます。
不足分だけを、料理の油で補えばOKです。炒め物・サラダのドレッシング・調理油として、大さじ1〜2杯(15〜30g)程度を意識的に使うだけで、脂質不足は簡単に解消できます。
糖質制限の初期、エネルギー不足を感じた時期がありました。
その頃、一時的な対策としてココナッツオイルを少量使っていたことがあります。
中鎖脂肪酸を含むため、糖質をほとんど入れない状況でも比較的使いやすい脂質でしたが、これはあくまで移行期の一時的な選択肢でした。
現在は食事設計が安定したため使用していませんが、糖質制限を始めたばかりの方にとっては、こうした選択肢を知っておくだけでも不安は軽くなると思います。
実際の使い方や、合気道の稽古前に感じた体感については、別の記事で詳しく書いています。
糖質制限の不調は、“糖質を抜いたこと”ではなく、必要なカロリー(タンパク質と脂質)を補っていないことが原因です。
安全に糖質制限を続けるための3原則
- カロリー確保: 総摂取カロリーの目安を下回らない。
- タンパク質優先: 体重の1.6g〜2.0gを目標に筋肉を守る。
- 脂質の理解: 油を飲む必要はなく、食材と調理油で十分補える。
この3つを守るだけで、糖質制限は安全に、そして確実に結果が出る食事法になります。
食事だけでタンパク質が足りない日は、不足分を補う手段としてプロテインを使うのも現実的です。
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